ラオス概要と子どもデータ

ラオス人民民主共和国概要

(出典:外務省)

ラオスの地図
国旗 ラオスの国旗
首都 ヴィエンチャン
面積 約24万km2(日本の約1.4倍)
人口 約651万人(2012年,ラオス統計局)
民族 ラオ族(全人口の約半数以上)を含む計49民族
言語 ラオス語
宗教 主に仏教

ラオスの歴史と社会情勢 ~子供に関わる問題は~

ラオスは、1353年にラオ族によってランサーン王国として統一されました。

18世紀からはタイやカンボジアの影響下に置かれ、両国の争いに巻き込まれる形で戦乱が続きます。19世紀半ばはタイの支配下、その後はフランスの植民地支配下でインドシナ連邦に編入されます。

第二次世界大戦中は日本の協力を得て独立宣言をしましたが、日本の敗戦後は再びフランスがラオスを支配下にしようとしたことが原因で、ラオスとフランスの第一次インドシナ戦争が勃発。結果としてフランス連合内のラオス王国として名目上の独立となりました。

1953年のフランス・ラオス条約により完全な独立を果たしますが、その後は長期にわたる内戦が続きます。

1975年にベトナム戦争が終結すると内戦を行っていた各勢力が合意して連合政府を設立、王政の廃止をして現在のラオス人民民主共和国が樹立されることになりました。


ラオスは、世界で最も爆撃を受けた国でもあります。

隣国のベトナム戦争では、アメリカ軍からの地上戦に加えて激しい空爆を受け、国内は壊滅的な状態となりました。その空爆の数は50万回以上、200万トンの量、これは人口一人あたりに落とされた爆弾の量としては世界一となるのです。

その影響は今でもなくなっていません。戦争が残した地雷や不発弾は、いまだに人々を殺傷し続けると共に 経済的発展の妨げにもなっています。

1999年以降でも900人以上の被害者が数えられており、その半数は、子供が犠牲となっています。

現在でも不発弾の処理にあたっている機関はあるが、その不発弾の数は1,000万発はあるだろうと推測されており、現在の不発弾処理のペースでは200年以上 かかってしまうだろうとも言われています。


ラオスは、人口約600万人、インドシナ半島の中央に位置し、中国、ミャンマー、ベトナム、タイ、カンボジアに囲まれた東南アジアで唯一海のない内陸国です。

海に面していないので、陸上交通の中心地としての発展を目指しています。最近は、恵まれた自然条件を活かした農業、水力発電、鉱業などの分野が注目されつつあります。ASEANの中では、最も開発が遅れている国の1つですが、2007年の1人当たりのGDPは678ドル、成長率は7.9%を達成しました。

日本からの投資は増加傾向にあり、2008年には日ラオス投資協定が発効し、「日ラオス官民合同対話」の場では、政府と企業が協力し合って投資環境の改善を進めています。


ラオスは、国連の基準では世界の最後発国に分類されているくらい貧しい国でもあります。

山岳地域に於いては、いまだに竹で作った高床式の家となり、家畜との共同生活、電気も水道もありません。こうした地域には食料だけでなく、医療も行き届かないことから、全体としては40%以上の子供達の栄養不足や病気に影響を与えております。

小学校にすら通えない子供も多く、教育の質もよくありません。また既存の学校は、小屋のようなもので、老朽化が進み、崩壊の恐れがあることから子供達の授業は校庭で行われている学校が半数以上を占めております。

その他、貧困に加えた、育児放棄、児童虐待、暴力など、子供に関する環境課題も多く残されております。


写真で見るラオス

ラオスの寺院

ラオスも国民の多くが仏教徒。多くの寺院があります。


ラオス仏教国

日本は大乗仏教ですが、ラオスは小乗仏教。男子は一度は出家して仏門に入る義務があります。


パトゥーサイ

観光名所、パトゥーサイ(勝利の門)はパリの凱旋門に習って建てられました。


パートダム

パートダム(黒塔)には七頭の竜が潜み国民を救ったという伝説があります。


ビエンチャン市

首都ビエンチャン市、近年は急速な経済的発展をしてる都市です。


ラオスの街並み

ラオスの町並み。トゥクトゥクが走る穏やかな雰囲気です。


ラオスの問題

最近では車の数が増え、渋滞の問題も出てきてます。


ビエンチャン市中心部

ビエンチャン市中心部にはゴミなど落ちてなく、とても清潔感があります。


ラオスのホテルや商業施設

近年は近代的なホテルや商業施設の建設も相次いでます。


メコン川沿い

夕方になると、人々はメコン川沿いで穏やかな時間を過ごします。


ラオスナイトマーケット

ナイトマーケットもたくさんあり楽しい時間です。


■CHANGがサポートしているラオスの施設はこちら右三角


ラオスの子供データ

(出典:Unisef)

基本統計

総人口 6201 (1000人) 2010
5歳未満人口 683 (1000人) 2010
18歳未満人口 2605 (1000人) 2010
年間出生数 141 (1000人) 2010
人口の年間増加率 2 (%) 1990-2010
出生時の平均寿命 67 (年) 2010
ひとりあたりのGNI 1010 (米ドル) 2010

子どもの死亡率

乳児(1歳未満児)死亡率 42 (出生1000人当たり) 2010
5歳未満児死亡率 54 (出生1000人当たり) 2010
5歳未満児の年間死亡数 8 (1000人) 2010

妊娠と出産

合計特殊出生率 2.7 (人) 2006
避妊法の普及率 38 (%) 2006-2010*
妊産婦死亡率 580 (出生10万人当たり) 2008
専門技術者が付き添う出産の比率 20 (%) 2006-2010*

予防接種

結核(BCG)の予防接種を受けた1歳児の比率 72 (%) 2010
3種混合予防接種を受けた1歳児の比率 81 (%) 2010
ポリオの予防接種を受けた1歳児の比率 76 (%) 2010
はしかの予防接種を受けた1歳児の比率 64 (%) 2010
破傷風から保護される新生児 80 (%) 2010
政府資金による定期EPI用ワクチンの購入率 5 (%) 2010

水と衛生

改善された水源を利用する人の比率

全国 57 (%) 2008
都市 72 (%) 2008
農村 51 (%) 2008

適切な衛生施設を利用する人の比率

全国 53 (%) 2008
都市 86 (%) 2008
農村 38 (%) 2008

栄養

低出生体重児出生率 11 (%) 2006-2010*
5歳未満の中・重度の低体重児の比率 31 (%) 2006-2010*
ビタミンAの補給率(6~59ケ月児) 83 (%) 2010
ヨード添加塩を使う世帯 84 (%) 2006-2010*

教育(識字率・就学率)

成人の総識字率 73 (%) 2005-2010*
若者(15-24歳)の識字率 男性 89、女性 79 (%) 2005-2010*
女性成人の識字率の対男性比 77 (%) 2005-2010*
初等教育純就学率 男子 84、女子 81 (%) 2007-2010*
小学校に入学した子どもが最終学年まで残る率 67 (%) 2006-2009*
中等教育純就学率 男子 39、女子 33 (%) 2007-2010*

ラオス:子供に関する問題を考える

(出典:Unisef)

人身売買の標的 消えない傷

【2006年5月23日、信濃毎日新聞掲】

ラオスは、中国、ミャンマー、タイ、ベトナム、カンボジアと国境を接する内陸国で、17県のうち16県が隣国と接しています。ラオスの社会的・経済的指数は隣国と比べ随分と低い数値を示しています。

メコン川を挟んで長い国境を共有しているタイとの間には、人の往来、交流も非常に盛んで、国際結婚が見受けられ、一方では不正な物のやりとりが行われていると言われています。しかし、そのすべてを把握し、パトロールすることは不可能なのが実情です。


ラオスでは、閉鎖的な自給経済から市場経済へ移行する過程で、近隣諸国との関係が深まる一方、今まで直面しなかった多くの問題にさらされることになりました。


人口の約50%を18歳以下の若年層が占める同国では、隣国と比べ経済状態が良くないことから、子どもたちの人身売買(特に女の子)が深刻化しています。

被害に遭った数千にものぼる女の子は、決して消えることのない精神的ダメージを負い、運良く保護されたとしても、その後もトラウマ(心的外傷)に悩まされ続けます。


被害者の多くは、『もっと稼げる仕事を紹介するから』と、そそのかされ、家や故郷を離れた人たちです。

実際、とりわけ遠隔地の村では十分な職も、高等教育が受けられる学校もなく、若者を村にとどまらせることが難しいのが実情です。そして人身売買に対する認識の甘さから、そのターゲットになりやすいのです。身近な知り合いや、信頼を寄せる身内が実は人身売買仲介者だったというケースもあります。


ユニセフが支援した国内調査の結果、人身売買への早急な対策が必要であることが浮き彫りになりました。特に12歳から18歳の女の子の被害が深刻で、その多くが家事、工場労働をさせられ、搾取される被害に遭っています。

ユニセフは、政府や諸団体と協力しながら、広報活動を広く行い、特にターゲットになりやすい女の子向けに定期的に集会を開き、被害を未然に防ぐ活動をしています。

一方で、残念ながら被害に遭ってしまった子どもたちの保護施設の設立に携わり、心のケアを行うカウンセラーの育成や、遠隔地に住む被害者支援を目的とした全国規模のネットワーク構築を進めています。


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