タイのサポート14【ドゥアン・プラティープ財団(クロントゥイスラム)】
大都会バンコクにあるタイ最大のスラム
タイの首都バンコクには、モダンなショッピングモールに高層マンションが建ち並び、今やアジア屈指の大都会へと成長しました。
しかし一部の地域の急速な発展は、必ず大きな格差を生みだすのです。
スラムは国の急速な発展と共に増えていくという現象があります。
バンコクの発展は、多くの労働者を必要とし、同時に職を求め、また都市にあこがれる多くの地方の人々が移住してきました。
しかしそこには、住居と教育の問題がありました。
たくさんの労働者が移住してきても、低賃金で住居を借りることはできません。
また教育を受けていないことから、高収入の仕事に就くこともできませんでした。
そこで、多くの労働者が首都バンコクでスラムを形成するようになったのです。
バンコク有数のオフィス街の隣りのエリア。
そこには発展に取り残された人々が、10万人も暮らすタイ最大のスラム、クロントゥイがあるのです。
このスラムの住民を支え続けているのが、ドゥアン・プラティープ財団。
創立者のプラティープ氏もこのスラムで生まれました。
6才の頃から路上の物売りとして働いた、大変な苦労をした過去を持っています。
プラティープ先生は「教育こそが生活を大きく変える原動力となる」と確信し、16才の時に、スラムの子ども達のために、自宅で「一日1バーツ学校」という塾を開いたのです。
この塾をきっかけに、スラムの住民の格差や教育問題は、この地域だけでなく、社会全体の問題となっていったのです。
そしてプラティープ先生は、1978年に「アジアのノーベル賞」と言われる、「ラモン・マグサイサイ賞」を受賞。
この時の賞金(当時だと家4棟分)で、教育を活動の柱とした「ドゥアン・プラティープ財団」を設立しました。
プラティープ先生の「一日一バーツ学校」から半世紀、プラティープ財団は貧しい子ども達のために歩み続けています。
スラムには以下ようなたくさんの課題があります。
国から獲得した借地件などの“法的問題”、インフラや劣悪な“環境居住問題”、 政府の都市計画による“立ち退き問題”、麻薬や犯罪など“社会的な問題”、 家庭の事業による中途退学など“教育問題”、不当な低賃金などの“経済的問題”、 医療知識の不足による“健康問題”など。
こうした様々な問題に対して、同財団では活動をしています。
CHANGは主に教育問題の一助となりたく、プラティープ財団が運営する幼稚園との支援・交流を続けています。
プラティープ幼稚園が今までに受け入れた園児は10,000人以上。
集中力と自立心を養う教育を導入し、歌う、遊ぶ、踊り、学ぶを織り交ぜて園児たちは日々成長しているのです。
プラティープ幼稚園の教育は、タイ政府教育省からも高い評価を受け、2015年には「園児教育の質が高い」と表彰されました。
確かに、いつも訪問して思うのは「子ども達が落ち着いて勉強している」ということです。
あっち行ったりこっち行ったり、ずっと騒いでいてもおかしくない年ごろの子がこれだけ集中できるのは、 日々積み重ねていった教育と、そして教科や教材にも大きな工夫があるのです。
この子もおやつのリンゴを自分で切って、他の園児たちに配っています。子供はこういうの大好きですよね。
こんなダンスも踊ってくれる子ども達。
ジーンズにサングラスでノリノリ!かっこいいですね。
タイの民族衣装をまとった伝統舞踊もとても美しいです。
2019年8月には、岐阜県大垣ライオンズクラブが主催する“空飛ぶランドセル”を開催。
日本の子ども達が背負っていた600個のランドセルを、クロントゥイスラムの子ども達に届けることができました。
この時はランドセルを背負っていた本人、中学生が二人も参加してくれました。
6年間のたくさんの思い出の詰まったランドセルを手渡し。
今度はタイの子ども達が、楽しく美しい思い出でいっぱいにしてくれることでしょう。
プラティープ財団とクロントゥイスラムの人々は、東日本大震災の時に多額の寄付を下さったことでも知られています。
タイの中でも貧しいスラムの人々が「日本にお礼がしたい」と、中古の服や靴、おもちゃを売ってまでお金を集めてくれたのです。
更にスラムの子ども達は、亡くなった人の数だけ折り紙の鶴を折って復興を祈り、「日本の友だちがんばって!」とメッセージをくれたのです。
私たちはこの心と行動を決して忘れません。
CHANGは、プラティープ財団のモットーである「貧しい子ども達の教育と貧しい人々の発展のために尽くす」に大いに賛同し、これからも協力関係を構築し続けて参ります。
※以上は実際に行って直接お伺いし、更に後日、現地人スタッフが電話やメールで再確認したもの、または施設のホームページやパンフレットに記載されている内容で構成されております。
それでも翻訳者の解釈や現在の状況によっては、若干内容が変わっている可能性もあります事ご了承下さい。
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