CHANGレポート ベトナム障害者施設
肥満の指導が必要な子ども達
2019年4月:ベトナム
ベトナムのクチ県にある、マイアム テッヅェン。
ここは現在も代表を務める女性の先生が個人で設立した施設です。
ベトナムでもう一ヵ所訪問しているテレサファシュより、より重い障害を持つ子ども達が保護されています。
身体と精神に重度の障害を持つ子が、全員で約130人いますが、そのうちの70人には重度の障害があり、更に30人は殆ど動くこともできずベッドで寝たきりの状態です。
言葉も話すことができず、時々うめき声をあげている程度です。

別でもレポートしましたが、この障害の原因はベトナム戦争です。
1962年から1971年にかけてアメリカ軍が大量に撒いた枯れ葉剤という猛毒は、当時の480万人が直接浴びることになり、それが原因で健康被害を受けている人は300万人を越しているのです。
更にその後遺症は、枯葉剤を浴びた世代の孫である第3世代に留まらず、現在ではひ孫世代の第4世代にまで障害を残しているのです。
この施設は、正にこの第4世代、枯葉剤を浴びた人々のひ孫にあたる子ども達が保護されている施設なのです。
重度の障害があるとはいえ、この施設の子ども達はとても人懐っこく、私たちが訪問すると、ニコニコと寄ってきてくれてのでとてもかわいく思っています。
ただ最近心配なのが肥満です。子ども達は会うたびに太ってきているのです。
「あの子は?今日いないの?」と聞くと「肥満で入院しています」という答えもかえってくるようになりました。
その太り方が尋常ではありません、おそらく中高生の年齢かと見えるのですが、100キロ近くありそうな子もいるのです。
この原因はとにかく食べ過ぎです。
私たちは訪問の前に「何持って行きましょうか?」と連絡すると、以前は「おむつ、ノート、クレヨン」などを頼まれることが多かったのですが、最近は「お菓子!」のリクエストばかりです。
そして、たまにしか行ってないからできるだけ買っていこうと、たくさんのお菓子を持って行くと、スタッフがその場で全て配って、子ども達は全部食べてしまうのです。
これはスタッフもいけません。
代表の先生はしっかりした方ですが、高齢になってきて、あまり施設に顔を出せなくなっているようです。
この2年間は一度も会うことがなかったのですが、先月訪問した時に久しぶりに会うことができたのですが、確かにかなりお年を召した様子が伝わってきました。
年齢的なこともあり先生もこうしたことを注意したり、スタッフを指導したりすることができなくなっているようです。

この子たちは教材で勉強することもできず、運動やおもちゃで遊ぶことも困難です。
知能にも重度の障害があるので、会話も殆どできません。
そこでスタッフはついついお菓子を与えることで喜ばせているようにも感じました。
適した量のおやつはいいでしょうが、この子たちは明らかに過剰です。
この問題に対しては、施設のスタッフともしっかりと話をし、規則正しい食事のとり方や、専門家からの栄養学の指導も必要でしょう。
私たちも、時にはお菓子は持って行かないくらいの対応もしなければならないとも考えています。
喜んでもらえるからと、ついついたくさん買い与えてたことに反省です。
入院までしている子が数名いるのですから、これは重大な問題につながります。
とてもかわいい子ども達ですから、先ずは健康を維持できるような指導を考えていきたいと思います。
