【慶応大学PEACE 健康教室を開催】2019.2〜
慶応大学PEACEが健康教室を開催
この計画はNGO日本医療開発機構の方々と「CHANG孤児院で健康診断をしましょう」と、数年前から計画していたものです。
そして2019年2月にやっと実現。
NGO日本医療開発機構の方々と共に訪問して下さったのは、慶應大学 看護医療学部のグループ「PEACE」の皆さまでした。
子ども達は衛生の習慣が中々身に付きません。
一緒に手足を洗ってあげたり、歯みがきを教えたり、頭のシラミも何度も駆除しましたが、同じことをずっと繰り返しているのです。
大学で医療を学ぶ方々から指導していただけるのは、本当にありがたいことです。
貴重な機会ですので、孤児院、幼稚園、語学学校、そして村のコミュニティの子ども達、みんなに声をかけ70人以上もが参加してくれました。
■活動報告①(2019年2月)
慶應大学の皆さん、先ずは紙芝居で健康のお話をしてくれました。
かわいい絵を描いてきてくれて、とても分かりやすいです。
【身長測定】
学校に身長・体重計はありませんから、子ども達にとって初めての測定です。
どっちか背が高いか気になるところでしょうね。
【体重測定】
カンボジアの子供は殆どが痩せぎみです。
食事の問題もあるのでしょうが、もう少し体重を増やせるような生活にしてあげたいところです。
【視力検査】
この子たちはまだ持ってませんが、カンボジアも中学生にもなるとスマホが欲しくてたまりません。
スマホは便利だし楽しいでしょうが、視力の低下には要注意です。
【石鹸での手洗い】
これは自分自身で毎回できること。衛生の良い環境ではないですからとても大切な習慣です。
食事の前には手を洗って、足、頭、歯磨き、いつも清潔にするようになってもらいたいです。
一人一人にチェック表を渡して、シールも貼ってくれました。
子ども達はこういうの喜びます。
【石鹸を手作り】
溶かした石鹸を、星やハートのかわいい型に入れて作りました。
アイデアいっぱいの健康教室にみんな大喜び。
健康教室のあとは、皆でお昼ご飯。この日はスープとお米です。
そしてボールやシャボン玉でたくさん遊びました。
最後は村を散歩。駄菓子屋によってアイスクリームを食べてとても楽しい時間でした。
お姉さん、お兄さんたちと手をつないで、歌って、おしゃべりして、本当に嬉しそうでした。
NGO日本医療開発機構の方々、慶應大学 看護医療学部の皆さま、ありがとうございました。
子ども達にとって、とてもいい勉強、忘れられない時間となりました。
この子たちが、もっと健康を意識し、清潔を習慣にすれば、大きくなって自分の子供にもそれを教えるようになります。
この村全体に良い影響となることでしょう。
慶應義塾大学 看護医療学部2年 学生一同(6名)の感想です。
【慶應義塾大学 看護医療学部2年 宮里美春さん】
孤児院の施設の古さに驚いた。
また地面に先のとがったものなど危ないものがたくさん落ちていて実際に足の裏を切っている子どももいて危なかった。
紙芝居をやっていて手を洗わなければならないということは理解できていると分かったので、今後習慣的に手を洗うようにしていかなければならないと感じた。
多くの子どもたちが虫歯で歯がボロボロだったので、その指導が必要だと感じた。
【慶應義塾大学 看護医療学部2年 島田宗太郎さん】
全体的に子どもたちが純粋で、日本にいる子どもたちと比べても元気かつ人懐っこい印象があった。
変に発達していないからかもしれない、皆優しく「トイレ」と言えばトイレまで連れて行ってくれて、鍵のかけ方まで教えてくれたりした。
皆んな年代が違う子たちでも支え合い、教え合って生きている感じがしてとてもなごやかだった。
ただ、子供によっては歯が虫歯まみれであったり、裸足であったり、少し気になる点もあった。
そういった点は、どうしても周り全体の教育レベルやインフラレベルが上がらないと、平々改善しにくいところなのかもしれない。
いろいろな団体が少しずつ介入して、結果として全体的に環境を改善させることができると思うので、もっとカンボジアについて理解し、改善点とその原因を把握して、もっと絞った計画を立ててみたい。
彼らを見ていると彼らのために何かできないかなという気持ちが湧いてくる。
次に来ることができたらもっと長期で、もっと計画を立ててやりたいと思った。
【慶應義塾大学 看護医療学部2年 本田真彩さん】
孤児院の中は工事中だったからか、プラスチックのかけらや鉄の塊が落ちていたり、大きなトタン板が置いてあったりと、孤児院の中の対象年齢にしては危険なものが多いなと感じた。
孤児院の子どもはサンダルを履いている子と履いていない子がいた。
履いてなくても普通のように走って足を怪我している子を見て、不衛生だし危険だと感じた。
健康教育では想定していたよりも視力検査が大変だったことや、対象年齢が低かったと感じた。
一度の訪問だけでは手洗いの習慣はつきにくいと思うし、訪問したことで見えてきた問題点があったので、今後も継続して関われたらと思う。
もし、次の機会があるなら、特に虫歯で歯が欠けている人が多かったことと、裸足で怪我している子がいたことに次は焦点をあててみたい。
【慶應義塾大学 看護医療学部2年 小林由衣さん】
対象となる子供達の年齢が思っていた以上に小さかった。
実際に対象だと考えていた年齢層は小学生程度だったが、実際に対象となった年齢層は90パーセント以上が幼稚園に通っているくらいの子供たちだった。
対象者の違いにより、発生した問題として、視力検査があまり意味を成さなかったこと、年齢が違う子供達同士で協力して石鹸作りをしてもらうことができなかったことが挙げられる。
特に島田くんと私が担当した視力検査については、まだ視力が安定しておらず、さらに右と左をはっきりと識別できていないことが一番の問題となった。
そこで急遽両目で、指差しを行ない、全くわからなかった子には、にこちゃんマークを書くことにした。
これらのことから、対象者をきちんと理解すること、あらかじめ把握しておいたつもりになっていたが、どの年齢層でも 対応できるような多様な健康チェックを設定しておくことが大切だと考えた。
視力検査はあまりうまくいかなかったが、チャングの子供達は椅子に座って話を聞いたり、返事をしたり、手洗いの方法をわかっていたりと、実際に会う前の私の想像以上に教育が行き届いていることがわかった。
このことから、健康教育するにあたって、それ以前の教育の大切さを改めて感じた。
その一方で、子供達の健康状態を損なう問題に気づくことができた。
子供達の歯を見てみると、歯の手入れが習慣化されていないように感じた。
また、カンボジアの人々の習慣でもあるが、足が土まみれになっている子や、足の裏を怪我した子がいた。
そして、健康とは直接の関連はないかもしれないが、シャボン玉の容器やペットボトルのキャップをその場に捨てている姿から、ゴミをその場に捨ててしまう人がいることも分かった。
ゴミのポイ捨てが、足の怪我や不衛生につながると考えると、ただ人の健康状態に目を向けるだけでなく、環境や習慣にも視野を広げることが大切だと考えた。
今回のチャングの主な訪問目的は健康教育であったが、カンボジアの子供達がいかに輝いているか実感する機会でもあった。
みんな笑顔で抱きついてきたり、手を繋いできたり、言語はうまく伝わらないもののたくさん話しかけてくれたりと、私たちの方が元気をもらったと思う。
子供達から、笑顔や一生懸命挑戦することの大切さ、そしてそれらが相手を元気にするということを教えてもらった。
ただただ子供達と会えたことが嬉しかったし、楽しかった。
今回チャングに訪問して子供達と触れ合い、学んだことを生かして私も子供達のように一生懸命努力し、輝きたいと思った。
このような機会を作ってくださり、本当にありがとうございました。
【慶應義塾大学 看護医療学部2年 熊谷ほのかさん】
日本人の支援を受けている孤児院の環境や、そこにいる子どもたちの様子を見ることができた。
孤児院では地面にレンガやトタンなどの危険なものが散乱している中、子どもたちの多くは裸足で遊んでいた。
また、水道の水は出るものの石鹸はなく、衛生的な環境は整っていない。
そのような環境の中で集団を過ごすうえでの、順番を守る、小さい子の世話をする、話をきちんと聞く等のルールを守り、自分の役割を果たしている子どもが多かった。
さらに、食事の前は手を洗うという健康を守るための知識を持っていた。
また、中学生以上の子の中で、興味を持って勉強している子は日本語を話せたり、将来の夢を持っていた。
日本と比較すれば、チャング孤児院の子どもたちは劣った環境の中でも、支援や教育を行うことできちんとした知識を身につけることができているのだと分かった。
それと同時に、一度与えるだけではなく積極的な支援が大切なのだと学ぶことができた。
【慶應義塾大学 看護医療学部2年 上ノ山千尋さん】
今回、幼稚園生たちを対象に衛生セミナーと健康チェックをやらせていただき、とても楽しかった。
最初は幼稚園生の子どもが、私たちのプログラムをどのように受け止めてくれるのか心配だったが、多くの子どもたちがじっと紙芝居に耳を傾けている様子や身長・体重測定、視力検査に参加してくれたのを見て、やってよかったなと純粋に感じた。
ただ、難しさもあった。小さい子に対してのアプローチの仕方への配慮が足りなく、特に視力検査は検査するのがままならなかったようだった。
言語の壁もあるため、その点は反省点としてあげられる。
今回、CHANGスクールにお邪魔させていただき、また自分が個人的にNPO法人国際協力NGO風の会という団体に所属して、カンボジアのバッタンバンで孤児院や学校の教育支援に関わってきたことを合わせて、感じていることがいくつかある。
ひとつは、支援の継続性に関することだ。
一度きりの支援というのは効果がほとんどないに等しいと私は考えている。
どんなかたちであれ、支援をするにあたっては、相手の状況を理解し、対象者が自立して自らの問題を解決しようという意志を持ち、解決に向けて取り組む必要がある。
それは対象者をふくめ、対象者を支える周りの人々の協力もうまく活用しつつ、全体的なエンパワメントが必要である。
こういったプロセスを踏んでいないと、支援は無駄になってしまうと思う。
私たちは今回、それを防ぐために手洗いのポスターを掲示させていただいたり、体重計の寄付をさせて頂いたり、また形に残るものとして石けんづくりを行った。
私たちの実践したことが形に残り、子どもたちの心と記憶に残り、衛生の大切さを日常生活の中で少しでも実践してくれたらと思う。
また、今回は子どもたちの様子の実際をほとんど理解していない中での関わりだったが、今回子どもたちと実際に関わってみて、虫歯で歯が欠けていることが多くみられたことから、次回セミナーを開催するとすれば、その点にニーズがあると感じた。
ぜひまた子どもたちに会いに行って、今回のような、または今回以上の関わりができたらいいなと思う。
斎藤さんをはじめ、サンチャンさんやその他の方々にご尽力いただき、楽しい日を過ごすことができた。
本当にありがとうございました。フンさんと日本で会える日を楽しみにしています。
大学生の皆さんにとっても良い経験、良い思い出になってくれたなら何よりです。