カンボジアのサポートスラム6【マッパイバイスラム】
元CHANG孤児院の子が住むスラム
私たちが運営するCHANG孤児院には、代表が娘のようにかわいがっていた、ボッパーという子がいました。
2017年暮れあたりから、カンボジア政府の方針により、親や親戚がいる子は強制的に身内のもとへ返されるようになり、ボッパーも孤児院を出されて、このスラムの親戚に引き取られたのです。
居場所を探すのに1年以上かかりましたが、2018年暮れに再会、それから定期的に訪問するようになりました。
スラムの風景

プノンペンの中心、王宮から30分ほどの場所にあるスラムです。
このスラムの近所には高層ビルや新しいホテルが建っていて、ここだけ発展に取り残されたような場所です。

これがボッパー。CHANG孤児院に来たときは4才くらいだったでしょう。
お母さんが「ちょっと預かって下さい」と置いていき、それっきりお迎えに来ることはなかったのです。
代表に出会った瞬間に「パパ!」と、飛びついてきたことが忘れられません。

とても明るく、そして気の強い子。年上の仲間ともよくケンカしていました。
今では近所の子供を抱っこして、だいぶお姉さんになってきました。

こちらがボッパーの叔父さんの家。
ボッパーは叔父さんの別れた奥さんの・・姪っ子の・・子供・・のようなことを言ってましたので、直接の血の繋がりはないようです。
それでも叔父さんの家には他にも孫や甥っ子姪っ子もいるので、親戚中から頼りにされている人なのでしょう。
とても優しい人です。

叔父さんの仕事はトゥクトゥクの運転手。
「子供にお金がかかってトゥクトゥクの収入だけじゃ大変だよ」と笑っています。
小学生一人が学校に行って、ご飯を食べるのに必要なお金は、一日に1万リエル、日本円で270円くらいです。

こちらは村長のニンさん、80才だそうです。
この村には217家族、920人が住んでいて、そのうち子供は500人くらいいるそうです。
生活に困っている家庭も多く、またドラッグをやっている人もいるそうで、治安はあまりよくないようです。

子ども達はとても仲がよさそうです。
そして男の子がとてもしっかりしている印象がありました。
男の子たちが小さい子の面倒をよく見てくれているのです。

ボッパーの小学校の送り迎えも、お兄さんたちがバイクでやってくれます。
スラムの子ども達みんなが、兄妹姉妹になっている絆を感じます。

訪問を始めた当初は、ボッパーへ文房具やカバンを届けてましたが、叔父さんの家にいる子ども達、そして村全体の子ども達へも物資を届けるようになりました。

とても優しく素直な子ども達です。
村長や叔父さんとも話しをしながら、これからもできる限りのことを続けていきます。
2017年、CHANG孤児院には最大で37人の子供が暮らしていました。
ところがこの年から政府の方針によって、多くの子供が強制的に身内の元へ返されるようになったのです。
政府とは何度も話をしましたが、子ども達を戻すことはできませんでした。
それでも政府の方々は、出された子供の住所を教えてくれたり、毎月のように様子を見に行ってくれているので、安心もしています。
これからも政府の協力を得ながら、孤児院を出された子ども達のサポートも継続していきたいと考えています。
※以上は実際に行って直接お伺いし、更に後日、現地人スタッフが電話やメールで再確認したもの、または施設のホームページやパンフレットに記載されている内容で構成されております。
それでも翻訳者の解釈や現在の状況によっては、若干内容が変わっている可能性もあります事ご了承下さい。
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